彼岸花

「彼岸花」

遠い昔
家の横を流れていた小川沿いに
秋になると真っ赤な彼岸花が咲いていた
採って母に見せると
毒があると叱られた
”memory”

秋は真っ赤な夕陽と彼岸花
9月になると心が躍る
もう芽を出していないかと気にかかる
毎日通る道に突然咲き始める
日ごとに怒涛の勢いで数を増す
目の前が赤い風景にかわる

彼岸花の季節になるとカメラを手放せない
様々な場所で、様々なアングルで
もう何年同じ作業をやっているのだろう

真っ赤な彼岸花
小川のそばの家はもう存在しない
遠い昔に誘う
”reminder”

kazumi